「自己雇用」として、半農生活でお金を稼ぐ事を考える場合、
菜園起業、
つまり、小規模な野菜販売や体験農園等を事業化していくことを
オススメしているのは、
リスクが少ないので、失敗する要素があまりないからです。
上の図は、あるハウス農家の事例です。
5,000平米のビニールハウスを1,400万円で建設し、
育てた野菜を売って、年間2,901万円ほどの売上をあげ、
そのうち、1,060万円が所得となっています。
この例の場合、減価償却費(設備投資費を毎年落としていく方式)
が全体の1割を占め、3割ぐらいが、手数料や選果経費となっています。
直接、栽培に使った肥料や資材などの消耗品の費用である
生産費は2割ほどですが、
この中には、ビニールハウスの暖房に使う燃料代等の光熱費も含まれると
思われます。
こうした設備投資をせずに、
自分で育てた野菜を直売していくと考えると、
手数料等はほとんどかかりません。
生産費は1割程度で済むでしょう。
小規模な野菜の生産販売の場合、
泥まみれになって働いても、
売上300万円を達成するのもなかなか大変かもしれませんが、
あまり経費がかからないので、売上のほとんどを所得にすることができます。
上の図の例でも、家族3人で働いて、1,.000万円ちょっとの所得なので、
一人あたり所得は、300万円程度です。
ですから、週の半分程度、農作業して100万円ぐらいを稼ぎ、
後はアルバイトやパートで年収300万円程度を達成するとか、
自分はフルに農作業して、300万円程度を稼ぎ、
後は家族に働いてもらって、世帯収入400-500万円程度を目指すと言うのは、
かなり現実的な目標だと言えます。
自分で事業を始めた人が失敗する最大の要因は、
固定費と言って、売上が上がっても上がらなくても
かかる経費がかさむことです。
どんな事業でも、始めたばかりの時は、なかなか思うように
売上があがりにくいものです。
頑張って、継続しているうちに、だんだん、コツを覚えて
上向きになってくることが多いのですが、
固定費がかさむと
そうなる前に息切れをしてしまいます。
ビジネス経験がほとんどなくても、
半農生活からゆるやかに移行する事が可能な
菜園起業は、「農業初心者」が起業する上で
かなり現実的な道なのです。