この読書ノートでは、表記の本を読みながら、「食品の成分とその効果の関係」について、
考察しています。
農水省が実施した食品新素材についての食品製造業者へのアンケート結果で、
p5.平成7年の市場は、現状維持が最も多く、56.7%。ついで「拡大した」が32.8%、「縮小した」が7.2%あった。
1995(平成7)年、つまり、今から20年前の調査結果なので、
現時点の実態とは当然ズレがあると思いますが、
興味深いのは、前回書いたこととの関連です。
前回は、
1)この調査が行われた時期は、アーリーマジョリティ段階からレイトマジョリティ段階への移行期と思われる
2)イノベーター段階からアーリーマジョリティ段階までで、50%の方が、
新しいものを受け入れるようになっていて、
続くレイトマジョリティ段階で更に34%の方が、受け入れるようになる
と言う趣旨のことを書きました。
つまり、半数受け入れ段階から8割受け入れ段階へ移行する時期には、
市場は現状維持だと感じる人がやはり約半数、拡大したと考える人が3割
と言うのは、面白い一致だと思います。
そして、この調査が
3)公的に「食品の機能性」と言う概念が提起されてから約10年後であること
と重ねあわせると、
概念の公的提起 ⇒ 5割が受け入れ(更に8割受け入れ状態へ) ⇒ 市場が現状維持と感じる人も5割(拡大と感じる人も3割)
と言うプロセスが10年間で達成された
と言えるわけです。
20年前の調査結果なので、現時点での食品新素材の市場実態とは
異なっていると思われるとは言え、
キャズムの理論を考える一つのサンプルとして、興味深いデータです。